下津井地区の町おこしが山陽新聞にて掲載されました。【前半】
なんば建築工房で取り組んでいる下津井地区の町おこしが山陽新聞にて全5回にわたって連載されました。
前半として、第1~3回分をご紹介します。
【唯一無二】
参照:山陽新聞
下津井地区は
児島半島の南端、瀬戸大橋のたもとに広がる場所にあり、人口は約3800人。
中心部にはまちづくり団体「下津井シービレッジプロジェクト」の事務所があり、2026年3月19日に毎月2回行われている定例会議が開かれました。
この日は、2017年10月のプロジェクト発足後、節目となる200回目でした。
「下津井シービレッジプロジェクト」 は、弊社代表 正田順也が発起人の一人でもあります。
プロジェクト発足のきっかけとなったのは、中西家の取り壊しのお知らせです。
下津井地区の中心部を東西に貫く旧道沿いは岡山県の街並み保存地区に指定され、本瓦ぶきの民家や蔵が軒を連ねています。
その一角にある中西家は、1893(明治26)年築とされ、往時の建築様式がそっくり残る「唯一無二の建物」。
その取り壊しの知らせが地域に入ったのは2017年の春頃でした。
下津井地区は、1989年の大橋架橋時に約8千人だった人口は半数以下に減少。
高齢化率は4割を超え、空き家が目立っていました。
「下津井地区を維持するには、地域の資源を生かして人を呼び込むしかない。
そのためにも中西家を失うわけにはいかない。」
相続人に連絡し1年間を期限に解体を待ってもらう約束を取り付けました。
存続の糸口を探ろうと開いた集まりが、シービレッジプロジェクトとなって今に続いています。
【運営会社】
参照:山陽新聞
2017年10月に発足したまちづくり団体「下津井シービレッジプロジェクト」の歩みは、当初から順風だったわけではありません。
往時の建築様式を残す建物の改修費用はざっと見積もって数億円規模。
設立まもない住民団体には高い壁となって立ちはだかり、市内外の企業に投資を持ちかけたものの、色よい返事は得られませんでした。
「必要な資金を確保して活動を回していくには、団体を支える会社を立ち上げるしかない」
そこから約2年後の2019年6月、運営を担う「株式会社しもついシービレッジ」が設立しました。
運営会社の設立を機に、プロジェクトの取り組みは充実度が高まりました。
地区で目立ってきた空き家を買い取って改装し、貸し出せるようにすることで賃貸物件が固定収入を生み、プロジェクトが企画するにぎわい創出のイベントなどを、財政面でサポートすることが可能になりました。
まちの活性化に持続可能性を見出そうとするプロジェクトには、行政も併走支援します。
旧豆腐店を再生した古民家が、移住を検討する人が宿泊しながら生活を体験できる倉敷市の「せとうち古民家お試し住宅(下津井シービレッジハウス)」として活用されています。
2025年度は83組を受け入れ、そのうち約2割を超える18組が下津井地区を含む市内に移住しています。
「想像以上の実績」を生んだ最大の理由が、プロジェクトメンバーによる現場での手厚いサポートです。
「地域再生の主役である地元に熱量がなければ、いくら補助金を投入しても溶けるだけだ。
下津井の人々からは熱が伝わるから、私たちも動きたいと思える。」
お試し住宅の事業化に関わった市企画経営室の堀内裕介主幹もこのように語られています。
【空き家問題】
第三回目の特集は下津井の空き家問題。日々、下津井を始め倉敷市の空き家問題に取り組む、弊社代表 正田順也が取材を受けました。
参照:山陽新聞
岡山県の町並み保存地区に指定された旧道沿いの一帯を少し外れると、山裾の斜面に沿って数十軒がひしめく住宅密集地があります。
人口の流出が続く下津井地区では、空き家問題が深刻で地区全体の比率は2割近くに上り、市内でもワーストの水準です。
プロジェクトによる発信の強化などで移住希望者が増える一方、地区内で紹介できる物件は限られています。
空き家自体はあるものの、住まいとして活用するにはいくつものハードルがあるからです。
所有者を含めた空き家の情報をいかに入手し、家屋が再生できなくなる前に予防、改修するか。
権利の分散や隣地との境界の問題に対応しながら、どのように移住希望者に引き合わせるか。
他分野の専門家が関わらないと前に進みません。
そこで、空き家の活用に関する様々な問題に、建築や法律の専門家らが多角的かつワンストップに対応する窓口として、全国空き家アドバイザー協議会の倉敷支部が発足しました。
弊社代表の正田が事務局長を務めています。
プロジェクトでは、正田を介して業界団体、さらには行政と連携しています。
空き家の情報を集めつつ、再生や活用に向けた方針や課題解決策を練り、移住希望者とマッチングする流れができています。
「下津井の価値を高め、住んでくれる人を増やさないと空き家は減らない」
まちづくりへの熱い思いを兼ね備えた政田の専門性と行動力がプロジェクトを支えています。
市内でトップクラスの人口減少率に悩む下津井。
地元工務店として、古民家再生協会、空き家アドバイザー協議会での活動を10年近くコツコツ続けてきた結果、少しづつ芽が出てきました。
目が行き届かなくなった家はどんどん痛みが進み、やがて活用が難しくなります。
空き家の相談も受け付けていますので、お気軽にご相談ください。
後半へつづく。