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会長インタビュー

Vol.18 職人の手と機械の違い

同じ木を組む家でも、職人の手で刻み(加工)、組んだ家と、機械で加工して組んだ家では違いが出ると言います。
その違いについて語ります。

四代目主人・難波 恭一郎のインタビューです。
2016年頃の古い映像ですが、参考資料として公開いたします。
文字起こしは意訳を含みます。ぜひ動画もお楽しみください。

[赤字] インタビュアー
[黒字] 難波会長

最近は梁を見せる家も増えてきましたし、良い木の家が増えてきています。お客さんからすると、木を見せて木の香りがしていれば、それが本当に技術のある家なのかどうか、わかりづらくなっていませんか?

集成材を金具ではめ込んで、梁だけ見せるという家がありますが、やはり、そこに自然な木を使ったらやはり見る側も、自然な感覚でその構造美が入ってくると思うんです。確かに、直線だけの木組みというのもあるんですけどね。

直線の木でも、曲がったものでも、手で刻んで(加工して)組み立てたものは、自ずから仕事の跡が全部残るんですね。込み栓であるとかそういうものがね。組み方も、機械で組むのとは違ってきます。それはプロならすぐわかります。手で入れているな、機械で入れているな、長年住んでいると、わかります。必ず分かってきます。そりゃ、機械でやった方が安くできますし、手でやった方が高くつきます。

どう違うかというと、木は必ずどちらかの方に曲がりますから、曲がる方に木を組んでいくんですね。だからいつまで経っても口は開かない。手刻みをすると、家が締まるんです。木が曲がる方に向かって中心になる方に向かって木を使いますから、長年経っても中へ中へ曲がろうとするので、家が締まる。これを何も考えずにやって、外へ膨らむ家を作ってしまうと、長年経って外へ外へ口が開くということですね。

締まるいうことは、家にどう良いのでしょうか?

締まるということは、家が動かないということです。確かにある程度時間が経つと、柱の隅々が少し空いたりしますが、おそらく4、5年もしたら、完全に落ち着きます。普通、私たちは、中塗りで留めておいて、4、5年経ってから上塗りをかけるわけです。そうするともう一生物です。

強度が上がるということですか?

そうですね、木と木がきちっと合うわけですから強度は上がってきますし、木自体、時間が経てば経つほど固くなりますから、樹齢80年の木の家であれば、3倍の240年持つとされているわけですね。集成材はどうしても高温で乾燥させてますので、木なんですけども、木ではない。接着剤だけで持っている家ですから、油分がなくなりますので風化は早いと思いますし、水に当たるとすぐ腐ってくるわけです。