『簀戸』をご存じですか?
こんにちは。
倉敷市の工務店、なんば建築工房の下川です。
(季節は真逆の冬でありますが)夏になると 『簀戸』(すど)を使うご家庭は少なくなりましたが、古民家の住まい方を知るうえで、簀戸はとても優れた先人の知恵です。今日は、現場でよく質問をいただく簀戸の特徴や仕組み、そしてこれからの暮らしに合う 「新しい簀戸の使い方」をご紹介させてください。
簀戸(すど)とは?
「風を通しながら、日差しと視線をやさしく遮る木製の建具」
古民家では、夏になると障子やガラス戸の代わりに簀戸をはめ込み、
涼しさ・通風・日よけ を同時に確保できる季節の建具として使われてきました。
簀戸の構造と役割
① 構造
- 木の框(かまち)で四方を組んだ建具
- 内側に 細い竹(すす竹)や桧の小幅板 を並べて固定
- 「面(つら)」がフラットで軽いのが特徴
- 湿気を吸っても風が抜けるため、夏場に適した素材
② 性能
- 遮光性: 直射日光を拡散して和らげる。室内の温度上昇を抑える。
- 通風性: 障子やガラス戸より圧倒的に風が通る。
- 調湿性: 木と竹の素材が湿気を吸放湿し、蒸し暑さを軽減。
- 軽さ: 女性でも片手で扱えるほど軽い。季節建具として交換しやすい。
③ 視線のコントロール
- 竹の太さやピッチにより、
室外からは見えにくく、室内からは外がほどよく見える。
→ 「プライバシー確保」と「開放感」を両立する昔ながらの知恵。
簀戸の良さが「現代の住まい」にも向いている
- 機械に頼らない パッシブ(自然の力)冷房
- SDGs・環境配慮
- 日本らしい素材感
- 既存窓に後付けしやすい(工事負担が少ない)
◎なんば建築工房として提案できる 「新しい簀戸の使い方」
① 簀戸 × インナーテラス(縁側リノベ)
縁側・サンルーム・デッキ前に簀戸を入れると、
クーラー頼りにならない心地よい半屋外空間が作れます。
古民家再生と相性抜群。
② 簀戸 × ガラス戸の二重建具
既存のサッシはそのまま、室内側に簀戸をはめることで、
- 夏:ガラス戸を開けて簀戸だけにし、通風確保
- 冬:ガラス戸+簀戸で断熱と結露を抑制
→ 一年中使える建具として再評価できる。
③ 簀戸 × LED 間接照明
簀戸の「竹の影」を室内に投影する照明計画。
夜の雰囲気が格段に良くなるため、
「インテリアとしての簀戸」を提案できる。
昔の暮らしの知恵は、現代の家づくりの「ヒントの宝庫」だと思っています。
簀戸はその代表例であり、古民家の再生では欠かせない要素です。
もちろん、古民家だけでなく、新築・リノベーションにも合わせてみるのも面白いと思います。
なんば建築工房の『古材ギャラリーひととき -Hito to Ki-』には、簀戸の在庫をストックしています。
実際に『簀戸』を見て、素材感を確かめに来てみませんか?
以下が『来店ご予約』のリンクになります。
https://www.nanbakenchiku.co.jp/reservation/