古民家リノベーション前に必須|後悔しないための建物簡易調査と判断ポイント
なぜ古民家リノベ前に「簡易調査」が重要なのか
「この古民家、リフォームできますか?」
なんば建築工房では、このようなご相談を多くいただきます。築年数の経った建物は、見た目だけでは判断できない劣化や構造的な課題を抱えていることも少なくありません。
そのため私たちは、いきなり設計や見積もりに進むのではなく、将来も安心して住み続けられるかどうかを見極めるための「建物簡易調査」を大切にしています。
この調査の目的は、単に「傷んでいる・傷んでいない」を判断することではありません。
・この建物は再生すべき価値があるのか
・断熱や耐震性能をどこまで高められるのか
・住居としてか、別の活用方法が良いのか
といった大きな方向性をお客様と一緒に探ることにあります。
実際に行う調査内容とチェックポイント
簡易調査では、建物全体を多角的に確認します。
① 屋根・外壁の状態確認
瓦のズレや割れ、屋根下地の劣化は雨漏れの原因になります。外壁まわりでは、クラック(ひび割れ)や防水性能の低下をチェックし、将来的な補修の必要性を見極めます。
② 床下環境の確認
床下では、シロアリの被害がないかを目視で確認し、あわせて柱や土台の木材含水率を測定します。
一般的に、含水率は20%以内が健全な状態の目安とされており、これを超える場合は湿気対策や構造補強が必要になるケースもあります。
③ 構造・傾きのチェック
柱の傾きや建物全体の歪みを測定し、耐震改修が可能かどうかを判断します。古民家の場合、補強方法の選択肢が多いため、構造を正しく把握することが非常に重要です。
④ 基礎・土地・権利関係の確認
建物だけでなく、基礎の状態や土地・建物の権利関係についても確認します。リノベーションが可能でも、法的・権利的な制約が将来の選択肢を狭めることもあるからです。
データだけで終わらせない、将来を見据えたご提案
私たちの調査は、数値や写真を集めることがゴールではありません。
「この古民家を、10年後・20年後、どう使っていきたいのか」
その想いを共有しながら、残すべき価値・直すべき部分・無理をしない判断を整理していきます。
住居として再生出来るのか?
予算は?
全体の敷地の計画は?
家族状況を考え将来の計画は?
場合によっては、様々な選択肢が考えられます。
古民家リノベーションは夢のある計画だからこそ、最初の判断がとても重要です。
なんば建築工房では、職人目線と長年の古民家再生の経験をもとに、**「後悔しないための最初の一歩」**として、この簡易調査を行っています。
古民家の購入やリノベーションを検討されている方は、ぜひ一度ご相談ください。