古材の価値を未来へつなぐ 〜囲炉裏づくりを通じて〜
目次
- 古材が囲炉裏として生まれ変わる
- 空き家・古民家を守るための古材倉庫ギャラリー
- 古材ギャラリー見学のご案内

岡山で古民家リノベを扱う工務店の代表の正田です。
本日は、お客様からオーダーがあった囲炉裏の作成で古材の利用についてお話しします。

1. 古材が囲炉裏として生まれ変わる
当社のショールーム奥に併設の古材ギャラリーには、かつて人々の暮らしを支えてきた古民家の構造材やタンスや古民具が眠っています。その一つ、幅広の松の縁側板をこのたび囲炉裏へと生まれ変わらせることになりました。
もちろん私が手を下すわけではなく(笑)、熟練の職人が丹精込めて仕上げてくれます。
古民家の縁側に使われる松板は、厚み20mmほどで薄くても驚くほど丈夫です。それは、長い年月をかけて木が「成長」し続けるからです。工業製品は出来たときが最高でその後劣化していきますが、木材は伐採された時点で最高の状態ではなく、200年、300年という時を経て含水率が落ち着き伐採直後より強度が2〜3割増していきます。その結果、木材は月日と共に味が出ていきます。

2. 空き家・古民家を守るための古材倉庫ギャラリー
こうした古材を活用することは、単なる再利用やリサイクルにとどまりません。そこには、人々の暮らしの記憶や地域の歴史が刻まれています。縁側板であれば、家族の団らんを支え、四季の風景を映し、何世代もの生活を見守ってきた証。その木材を新たな形に生かすことは、失われつつある古民家文化を未来へと受け渡す行為だと考えています。
現実には、地方の空き家や古民家の多くが維持管理の難しさから解体され、そこで眠っていた良質な木材も失われています。これは地域にとって大きな損失です。そこで私たちは「古材倉庫ギャラリー」を活用し、解体される建物から価値ある木材を保管・再生し、次の世代へとつないでいく仕組みを整えています。
梁や柱は新築住宅や古民家リノベーションの構造材に、建具や欄間は古民家店舗やカフェの演出に、そして今回のように縁側板が囲炉裏として蘇ることもあります。古材は負の遺産ではなく「地域の宝」。空き家や古民家を未来へと循環させる鍵だと私たちは考えています。

3. 古材ギャラリー見学のご案内
なんば建築工房では、岡山での古民家リノベーションや古民家店舗づくりを検討されている方、古材の購入・古材買取を希望される方に向けて「古材倉庫ギャラリー」を公開しています。梁や柱、建具や欄間、板材から古民具まで、実際に触れてその価値を確かめていただけます。
今年は特に「古民家再生」「空き家活用」に力を入れています。
✔ 古材を利用した新築やリフォーム
✔ 古民家カフェや古民家宿泊施設の店舗改装
✔ 古材買取・古民具引取りのご相談
✔ 古民家の空き家相談
ぜひ一度、古材ギャラリーへお越しください。ご予約やお問い合わせはお気軽にどうぞ。
(株)なんば建築工房
代表取締役 正田順也
(一社)岡山県南部古民家再生協会 代表理事
(一社)全国空き家アドバイザー協議会 岡山県倉敷支部 事務局長
下津井シービレッジプロジェクト 運営責任者
しもついシービレッジ(株) 取締役専務
児島商工会議所 青年部2022年 会長
児島商工会議所 建設部会 部会長
住まい夢ネット(工務店団体) 会計監査
下津井むすびさんかく屋 営業部長