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性能向上リノベは「選べる・組み合わせられる」〜何を × 何に × どのくらい? 岡山・倉敷で、暮らしにあった性能向上リノベの選び方〜

〜何を × 何に × どのくらい? 岡山・倉敷で、暮らしにあった性能向上リノベの選び方〜

明治20年創業、岡山県倉敷市の工務店なんば建築工房では、新築注文住宅から、リノベーションまで、様々な工事に対応しています。

なんば建築工房が基本としているのは、”性能向上リノベーション”。
古民家を多く扱う中で、建築当時よりも断熱・耐震などの性能をアップさせ、現代の暮らしに合わせたより快適な住まいを提供しています。

性能向上リノベーションの人気が高まっている近年では、各社が様々なプランを打ち出しています。いざ、リノベーションをするとなっても、どんなプランにするか悩む、という声をよくいただきます。
どこまで直す?どんな風に手を入れる?どれが自分に合っているのか…?

そこで、リノベーションを計画する際に、どのような切り口から考えていけば良いか、同社の代表であり、古民家再生や空き家利活用の分野でも豊富な実績を持つ、正田順也社長に、お話を伺いました。

正田 順也 (まさだ じゅんや)
大阪生まれの奈良育ち。大学進学をきっかけに岡山へ移住し、住宅業界歴は30年超。
職人の伝統技術を活かすため、古民家再生・空き家利活用・地域づくりに力を入れている。

(一社)全国古民家再生協会岡山第一支部 代表理事
(一社)全国空き家アドバイザー協議会 岡山県倉敷支部 事務局長
町おこし団体 下津井シービレッジプロジェクト 事務局長
古民家鑑定士インストラクター ほか

性能向上リノベーションとは?

――なんば建築工房が基本とする、性能向上リノベーションとは何なのでしょうか。

正田「性能向上リノベーションとは、ただ見た目を新しくするのではなく、断熱・耐震・省エネといった“建物の性能”を現代の水準まで引き上げるリノベーションのことです。当社では、築50年を超える古民家のリノベーションを数多く請け負っています。築古住宅や古民家は、柱や梁といった骨組み自体はしっかりしていても、断熱材が入っていなかったり、耐震性能が不足していたりします。そうした住まいを、安全で快適に暮らせる水準に再生するのが性能向上リノベーションです。

具体的には、耐震補強工事や断熱改修、最新の省エネ設備などを組み合わせます。これにより、地震に強く、冬は暖かく夏は涼しい住まいに変わり、光熱費も削減できます。特に50〜70代の方にとっては、将来を見据えて『安心して長く暮らせる家』に整えることが大きなメリットになります。岡山・倉敷エリアのように古い家や古民家が多い地域では、この性能向上リノベーションこそが、次世代へ建物を受け継ぐための重要な手段になります。」


リノベは「何を×何に×どのくらい」で考える

宿庭から見た外観

――リノベーションをしたいと思った時に、何から考え始めたら良いですか?

正田「リノベーションは、”何を×何に×どのくらい”という3つの視点で整理するとわかりやすいです。

何を』は対象物件です。ご実家、古民家、中古住宅。それぞれ残す意味や費用感が違います。
何に』は暮らし方の目的です。二世帯、移住、店舗、平屋。どう使いたいかで間取りや設備が変わります。
どのくらい』は工事のスケール。フル、部分、減築、増築。ご予算や家族構成に合わせて選びます。
この3つを組み合わせることで、初めて“自分にとって最適なリノベーション”が見えてきます。」

「何を」?

例:
自宅リノベ:長年住み続けた家を直し、余生を快適に過ごす。
実家リノベ:親世代から受け継いだ家を、自分たち仕様に直す。
古民家リノベ:築50年以上の古い住宅を、耐震・断熱を強化して現代的に。地域の資産も残せる。
中古住宅リノベ:購入した中古住宅を、自分たちのライフスタイルに合わせて直す。

「何に」?

例:
二世帯リノベ:親世帯・子世帯の生活動線やプライバシーを調整。安心感と快適さを両立。
移住リノベ:気に入ったまちや家へ移り住み、空き家や古民家を自分仕様に。
店舗リノベ:古民家カフェ、アトリエ、民泊など。思い入れのある建物を収益につなげられる。
平屋リノベ:老後を見据え、昇り降りがなく、コンパクトで住みやすい家に。

「どのくらい」?

例:
フルリノベ:骨組みを残して全面改修。耐震・断熱・水回りまで更新し「新築同様」に。
部分リノベ:水回りやLDKなど必要箇所だけを改修。コストを抑えつつ暮らしを改善。
減築リノベ:広すぎる家を小さく整える。維持費・光熱費削減につながる。
増築リノベ:二世帯同居や店舗化など用途拡大に合わせて空間を追加。

正田「それぞれ、平屋店舗や、フルリノベ減築リノベなど、複数を組み合わせることも可能です。」


組み合わせの実例と、効果が出やすいパターン

――岡山や倉敷では、どんな組み合わせがフィットしやすいですか?

正田「代表的なものとして、次のような例があります。」

実家リノベ×二世帯リノベ×部分リノベ

実家リノベ×二世帯リノベ×部分リノベの実例

正田「築90年のご実家を、二世帯住宅としてリノベーションしたこちらのお宅。親世帯と子世帯が同居することになり、全部を作り替えるのではなく、水回りとLDK、玄関まわりを重点的に改修しました。増改築によって、段差や内装のちぐはぐ感が気になっていましたが、全体的なバランスを整えて、段差を解消することで、高齢のお母様にも使いやすい家になりました。また、工事範囲を“部分リノベ”に絞ったことで、費用は新築の7〜8割程度に抑えられ、耐震補強と断熱改修も同時に行ったので、安全性と快適性も大きく向上しました。お施主様からは『思い出の詰まった実家を壊さずに残せたことがうれしい』という声をいただきました。」

中古住宅リノベ×宿泊施設リノベ×フルリノベ

中古住宅リノベ×宿泊施設リノベ×フルリノベの実例

正田「倉敷へ移住された方が、宿を開きたい!ということで、一緒に物件を探して、宿泊施設の計画を行いました。昭和中期〜後期ごろの空き家をフルリノベーションし、宿泊施設に。お施主様はバイクが好きな方で、愛車を眺めながら語れる宿をテーマに、リビングをガレージと隣接させる間取りにしました。職人の手仕事が詰まった、和風旅館のような空間に仕上がりました。」


安全性・コスト・将来設計――判断の“3本柱”

――組み合わせを決める際の、基本の判断軸は?

正田「安全性・コスト・将来設計の3本柱です。

まず、安全性は、耐震・劣化・雨漏りの3点確認が基本。コストは“購入費+改修費+維持費”の総額で見る。将来設計は、家族構成や介護・相続も見据えた10年先の暮らしです。特に50〜70代の方は、減築リノベが候補に入ります。維持管理が楽になり、冷暖房の効きも良くなります。」

――「どのくらい」手を入れるか、迷います。

正田「部分リノベは“リノベのツボ”を絞れる分、費用対効果が出やすいと思います。一方で、フルリノベ耐震・断熱まで含めた“建物の健康診断+治療”が可能になり、長期的な安心が手に入ります。減築は“広すぎる”を解消し、増築は二世帯や店舗化など用途変更に有効です。最終的には、暮らしの目的とコストで決めていくのが良いと思います。」

――予算の考え方で押さえるべきポイントは?

正田「優先順位を明確にすることです。
1) 耐震・雨漏りなどの安全性
2) 断熱・設備など健康・快適性能
3) デザイン
の順で配分すると、満足度が下がりません。」


リノベ相談の始め方・失敗しないファーストステップ

――最初の一歩は、何から始めるのが良いでしょうか?

正田「まずはお気軽にご相談ください。状況はそれぞれの物件やご家庭によって変わるので、ご希望を伺って、参考になるケースの見学会や、ショールームの見学をご案内させていただきます。その後、詳細なヒアリングの中で、何を×何に×どのくらいの希望をうかがって、複数案で比較します。『減築で総額を抑える案』『二世帯化を段階施工する案』『店舗化の許認可を見据えた案』など、暮らしと予算の“落としどころ”を一緒に考えましょう。購入前の中古・古民家でもご相談ください。総額の見立てが早いほど、失敗は減ります。先に、ご家族で話し合っておくのも大切です。」


まとめ

  • リノベの計画は 何を × 何に × どのくらい の“掛け算”で整理するとわかりやすくなります。実家・古民家・中古住宅を、ご家族の将来設計に合わせて、最適なプランを選びましょう。
  • 安全性・コスト・将来設計の3本柱で優先順位を付けると、満足度の高いリノベができます。
  • 岡山・倉敷で古民家リノベを検討するなら、古民家再生の経験と自社職人の体制を持つパートナーへ。なんば建築工房は、豊富な経験と確かな技術で、あなたの暮らしに合う組み合わせを提案と施工の両輪で実現します。

まずはお気軽にご相談ください。
「実家を二世帯にしたい」「平屋化して将来に備えたい」「古民家を店舗に活用したい」――複数案を比較し、最適解を一緒に決めていきます。

なんば建築工房は、自社職人による確かな施工力と、古民家を含む難しい案件への対応力で、多くのお客様に選ばれてきました。住まいの将来に悩んでいる方、他社で断られた方も、ぜひ一度ご相談ください。


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