「新築かリノベか」迷ったときに読む、後悔しない家づくりの選び方ガイド【後編】

明治20年創業、倉敷市の工務店なんば建築工房では、新築注文住宅から、リノベーションまで、様々な工事に対応しています。
前編では、新築とリノベーションそれぞれのメリット・デメリットや、迷った時にどうやって選べば良いかを整理しました。
後編ではさらに踏み込み、中古住宅を買う前に絶対に知っておきたい注意点、依頼先の選び方、そしてなんば建築工房の強みを具体的に解説します。
今回は、同社の代表であり、古民家再生や空き家利活用の分野でも豊富な実績を持つ、正田順也社長に、お話を伺いました。

正田 順也 (まさだ じゅんや)
大阪生まれの奈良育ち。大学進学をきっかけに岡山へ移住し、住宅業界歴は30年超。
職人の伝統技術を活かすため、古民家再生・空き家利活用・地域づくりに力を入れている。
(一社)全国古民家再生協会岡山第一支部 代表理事
(一社)全国空き家アドバイザー協議会 岡山県倉敷支部 事務局長
町おこし団体 下津井シービレッジプロジェクト 事務局長
古民家鑑定士インストラクター ほか
中古住宅購入の落とし穴

――中古住宅や古民家を購入してリノベーションする人も増えていますが、どんな注意点がありますか?
正田「よくあるのが、“安いから”と先に買ってしまって、後から困るケースです。数百万円で買えたと喜んでも、建物が大きすぎたり傷みが激しかったりして、結果的に修繕に6千万円、7千万円かかることもあるんです。そうすると、せっかく安く買ったのに総額では新築以上に負担が大きくなることもあります。」
――物件を販売している不動産屋さんからアドバイスは貰えないのでしょうか。
正田「特に過疎地の古い民家だと、家主さんも不動産屋さんも、安くても良いから朽ちてしまう前に早く手放したい、というケースが多くあります。不動産屋さんも、改築費用までは考えて売ってくれないので、そこは自己責任になります。さらに様々な理由でローンの審査が通らなかったりして、手放すことも直すこともできずに困っている人を何人も見てきています。」
◆ローンの審査が通らないケース
- 改築費用が想定以上にかかってしまい、借入できる額を超えてしまった
- 購入後に融資審査外の違法状態であることが判明した
- 購入後に、途中の道路が他人の土地であることが判明した
など
正田「さらに、住み始めてからの維持・修繕費用についてもしっかり考えておく必要があります。理想の住まい方と合わせて、相談できるパートナーを見つけることが大切ですね。」
――どうやってリスクを回避すれば良いですか?
正田「必ず“買う前にプロに相談する”ことです。建物の規模や傷み具合、耐震や断熱にかかる費用などを見れば、だいたいどのくらいのコストになるか想定できます。私たちは古民家再生協会や宅建業、空き家協議会などを通じて数多くの空き家を見てきました。その経験をもとに、“この家なら数百万円で直せる”“これは数千万円規模になる”といった現実的なアドバイスができます。」
工事を依頼する会社の選び方

――工事を依頼する会社はどのように選んだら良いでしょうか?
正田「一般的には、新築が得意な会社に相談すると、リノベーションは“難しい”と結論づけられることが多く、耐震や断熱などの性能面、建築基準法の面から“新築にしましょう”と誘導されがちです。これは良し悪しではなくて、新築が得意な会社からすると、リノベーションはとても手間がかかるし、工事中のイレギュラーも多いので、提案がしにくいんですよね。自社で職人を抱えていない会社だと尚更です。アフターサービスや保証も難しいですしね。」
正田「一方で、大手のリフォーム会社に行くと、“安く直せますよ!”とか、“必ず直せますよ!”とリフォームを勧められがちです。当然、自分たちが得意な商品をお勧めしますよね。」
――では、どんな会社に相談するのが安心なのでしょうか?
正田「新築もリノベも両方提案できる会社がベストだと思います。お客さんにとってどちらがいいのか、客観的に比較してくれるところですね。先ほども言ったように、リノベーションは現場でのイレギュラー対応が多く、経験や実績がものを言います。耐震・断熱の施工実績がしっかりあるか、資金計画や法規制への知識も持っているか。このあたりを確認すると安心です。」
なんば建築工房の強み

――なんば建築工房の強みについて教えてください。
正田「私たちは新築もリノベーションもどちらも対応できますし、古民家のような難しい案件も数多く手がけてきました。大きな強みは、自社に大工・左官・土木といった職人がいることです。現場で職人が直接“ここは直したほうがいい”“ここは活かせる”と判断できるので、柔軟で現実的な提案ができます」
――自社職人の有無で、安心感は大きく変わるのでしょうか。
正田「そうですね。住みながらのリノベーションや、家族の思いが詰まった家を直すときには特に、自社の職人が顔を出して対応できる安心感は大きいと思います。実際、当社は岡山県の工務店ですが、広島や京都など、遠方からも“なんばさんにお願いしたい”とご相談をいただいています」
――他社で断られた案件でも、お願いできるのでしょうか?
正田「もちろんです。“古いから無理”“法的に難しい”と断られた案件でも、減築や構造補強、段階的な施工などで解決できる場合があります。私たちは“直せるものは直して使う”という姿勢で取り組んでいますので、まずはご相談いただきたいですね」
――なぜ、なんば建築工房は古民家に強いのですか?
正田「私たちは岡山県下でいち早く古民家再生に取り組んできました。現在は、古民家再生協会の理事として、県内の古民家再生をリードしています。そこで得た知見やネットワークを生かし、地域の古民家をどう活用するか、どう次世代へ残すかを考えて活動を行っています。」
正田「さらに、自社に職人や材木を保有している点も大きいです。古民家は建物ごとに違いがあり、図面通りにいかないことも多い。そうしたイレギュラーに対しても、職人が現場で判断し、自社でストックしている材木を活かしながら最適な対応ができます。こうした体制があるからこそ、古民家のような難しい工事にも自信を持って取り組めます。」
まとめ

中古住宅や古民家を購入する際は、購入費だけでなく改修費や維持費を含めた総額で判断することが大切です。そのためには必ず購入前にプロへ相談し、現実的な予算感を把握してから意思決定しましょう。
また、工事を依頼する際には、新築とリノベーションの両方を提案でき、経験豊富で耐震・断熱・法規制にも対応できる会社を選ぶことが、後悔しない家づくりの第一歩です。
なんば建築工房は、自社職人による確かな施工力と、古民家を含む難しい案件への対応力で、多くのお客様に選ばれてきました。住まいの将来に悩んでいる方、他社で断られた方も、ぜひ一度ご相談ください。
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