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会長インタビュー

Vol.23 なんばらしい家とは何か?

なんばらしい家とは何か?
リスクを背負ってでも、在庫を抱え、無垢の木にこだわる姿勢を語ります。

四代目主人・難波 恭一郎のインタビューです。
2016年頃の古い映像ですが、参考資料として公開いたします。
文字起こしは意訳を含みます。ぜひ動画もお楽しみください。

[赤字] インタビュアー
[黒字] 難波会長

ほぼ100%お施主さんの要望をききますか?

要望は聞いているつもりですね。提案するのも、変なものは絶対に提案していません。自信があるから提案しているわけで。お客さんがここの使い勝手が悪いって言ったら、どう変えようか、動線はどうしたいですかと聞いて、組み合わせを変えればいいだけのこと。

部屋が足らなかったら、中二階を作るなど、いろいろな提案ができるじゃないですか。お風呂とか洗面所の天井をぐっとおさえて中二階分を作って、そこへまた違う空間を作るというようなこともありますね。どうしても30坪でしか予算が合わないといわれたら、中二階の小屋裏に子ども部屋を作ったり。子どもも丸太があるような小屋裏も楽しいだろうと思うし、そういう提案を持っていきます。真四角の部屋の中で子ども部屋を作る必要もない。それはもう臨機応変ですね。

その中で”なんばらしさ”や、さすがなんばさん、というポイント・見せ場を作るんでしょうか。

いや、作ろうじゃなくて、結果がそうなると思う、僕は。作ろうと思うといやらしくなる。この家を頑丈にしようと思うから、そこに丸太を入れるし、やすめというものを入れたりする。仕上がった時に結果出てきた。これみよがしじゃなくて、結果でそうなった。それを、みんながなんばらしいというのかもしれない。今まで丸太とかを、これ見よがしで入れたことはない。

うちは、4代目、現社長は5代目になるが、昔から古い材木があったわけです。何十年も前にそういう材木があるから。この材木はここに使ったらいいんじゃないかと考えて使っている。確かに今買えば、10万以上するようなものも、3万程度で使う。そういうことはあります。それもなんばらしい、といえばなんばらしい。

見せ場をわざわざ作るわけじゃないんですね。

良い材を使う場合は、こういうお家だったら、お客さんのためにこの木はいい木だから、ここへ使ってあげた方がお客さんが喜んでくれるだろうなと思って使う。人に見せようとするのではなく。お客様が喜んでくれるだろうという意味で使う。これ見よがしではない。それを入れようとして最初から10万円の材木をいれるわけじゃない。けど、そういう木を持ってない人は、材木屋でわざわざ買うから高い。うちは昔から持っているから安い。買って50年経ったような木もたくさんあるし。それもうちの特徴ですね。

お客様が言う「なんばらしい」というのは、どんな風にとらえていますか?

なんばらしいというのは、外観については手前低く。奥へ行くほど高く。玄関や進入路からみて、手前を低く、奥へ行くほど高くすると家は落ち着く・普遍的。手前が高くて、後ろを低くしたら圧迫感。

見た目の美しさですか?

誇れるのは、無垢材の木を使って家を建てましょうとすれば、なんばは一番安くできる。材木を持っている。材木もよろこぶ。使ってもらえる晴れ舞台だから。誇りかぶっててもダメ。それもうちの強み。

他の工務店は?

これがいる、ということで買うと高い。市へいって山積みで、これ一枚だけくださいといえば高い。山積みの中で一枚だけ買うと高い。うちは一山でいくら、という買い方をしています。

在庫のリスクがありますよね?

たまります。金利ばっかり払って、利益をうまない。でもこれがうちの強み。無垢材をなんの抵抗もなく使える。無垢の木を使うということは、のみも使う。かんなも使う。それで技術が上がる。これが集成材だけだったらビスだけでいい。そこの判断。ただ単に利潤だけを追うなら絶対持ちませんよね。だけど、持たないということは、絶対に技術力は落ちると思っている。

それで教育ができる。無垢の木を使うことによって、削れないからなにくそと言って削る、それが職人を自然に育てている土壌。これは当たっているでしょうね。