Vol.21 職人の手が入った家を建てるメリット

職人の手仕事で家を建てた家には、どんな魅力が詰まっているのでしょうか。
職人の技術で建てられた家について語ります。
四代目主人・難波 恭一郎のインタビューです。
2016年頃の古い映像ですが、参考資料として公開いたします。
文字起こしは意訳を含みます。ぜひ動画もお楽しみください。
[赤字] インタビュアー
[黒字] 難波会長
職人の技術を使った家、使われない家には、どんな違いがありますか?
技術を使ってない家だと、まず、30年後に直すところがたくさん出るでしょうね。技術をを使った家は、その空間から受ける印象が、ものすごく穏やかな感じで、特に子どもにはいい空間だと思います。家に教えられると言いますか、そこにはやはり、木があり、土があり、紙があり、という空間で、人間が作った手業が残っているわけですから、その空間から教育を受けるんです。
私はそういう家では不良のような子どもは育たないと思います。逆にクロスとかコンクリートとか、そういうものに部屋の中に、無味無臭というか無機質といいますか、そういうところで育った子は恐ろしいなと。逆に木があって棘が立ったということもあるかもしれませんけど、僕はその方が人間くさい、もっと心豊かな子に育ってくれる、これはお金には換算できない、僕はそう信じてます。家の建て方というのは、子どものその家の教育に大きく影響すると思います。
それぐらいパワーがあるということですよね。
私がなぜそんなことをいうかというと、小学生の頃、高梁におふくろの出所がありまして。田舎で、囲炉裏があってその上は丸太で、真冬は寒いのなんの。だけどその囲炉裏に火が燃えて、そこにおじいさんがおり、おばあさんがおり、子どもがおり、ひとつになって囲炉裏の火に手をかざす、肩が触れ合うわけですよ、これがひとつの愛情を育むといいますか。どこの部屋にいってもぬくぬくしとるというのも確かに、私も今そういう家を作ってますけども、本来は寒いときには寒い、暑いときには暑い家でも構わないと思っています。我慢できる程度にですよ。
だからガチガチに断熱・気密をする必要もない、戸を開けたときには外の様子が感じられる、鳥の声がして、春だなあとか、ああこれから暑くなってくるかなあとか、寒くなったなあというのが感じられる。戸を閉めれば家の効率ができる、その程度でいいんじゃないでしょうか。その方が人間らしいと思います。