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会長インタビュー

Vol.12 環境のためには施主の努力も重要

環境への悪循環を断ち切るには将来を見据えた家づくりが必要。
施主に望む心構えについて語ります。

四代目主人・難波 恭一郎のインタビューです。
2007年頃の古い映像ですが、参考資料として公開いたします。
文字起こしは意訳を含みます。ぜひ動画もお楽しみください。

[赤字] インタビュアー
[黒字] 難波会長

蓄熱の方法は?

蓄熱は、壁・床・天井・躯体に関わるわけですから、一番大きいのは鉄筋コンクリート造。これにかなう建物はない。蓄熱ということであれば。比重の重たいものになればなるほど、蓄熱はありますよね。だから、その辺は組み合わせなんですよ。その代わり土の利点は調湿もするとかね。コンクリートはそこまでしてくれません。それから施工性能も考えていきます。素材の持っている長所・欠点の組み合わせから来るんですよ。それを採用するときには、その欠点をカバーする工法とか施工方法とかを選ぶということ。

在来工法が見直されるということで、今までは耐震性能が表にでていましたが、それはクリアされて、補修のしやすさとか、間仕切りの自由度みたいな部分で有効だと言うことでしょうか。

今の建物の考え方は、「安ければいい」というのが一番に表立っているわけですね。安いのは絶対なんですよ。安く作るのがベストです。しかし、それには限度がありますよね。今流行りの予算では、もう20年30年たったら本当にだめなんですね。実際に解体していっているし、当時の、今から30年、40年前に建てた、それこそ団塊の世代が若い時に建てた家が手を入れようと思ったら、解体しないといけないくらい痛んでいるわけですよ。そんな家を平気でまだ同じように建てているわけでしょ。それでは資源がもうもたないんですよ。それを処理するために燃やすとかも含めて。作るのにCO2を出していく、だから温暖化などの問題になる。暑くなるからといって今度は断熱材とかの新しい材料ばっかりで、電気をたくさん使ってランニングコスト上げてしまうじゃないですか。なんか悪循環の繰り返し。どこかで切って、太陽、そよ風をどう入れる。自然の、何もしなくても最低限住めるだけの家づくりをしていってあげれば良いんですよ。なぜ気がつかないか。

太陽光発電システムがあったらすごい良いことですよね

そういう事ですよ、良いんですよ。あれでもっとコストは落とせるはずなんです。ただ、今の太陽光ぱねるは、30年ぐらいでダメになるし、途中で1回部品を交換する時期も来るんです、必ず。だからあんまり私もまだPRしないんですけれども。だけど、それができあがったらもう最高ですね。それで太陽光でやっていったら、本当に。家庭生活の中でのCO2の目標数値は即クリアできるんです。今私が言ったような家づくりをして、やっていくときれいにクリアできると思います。

なかなかそうならないのはどうしてでしょうか。

企業利潤、利益追求がもうすべてでしょう。悪の根源。合理的に、建物を建てるのに、職人というものをいかにカットするかというところの発想から、私は全部きていると思いますよ。そのために工場生産、つくる云々、それには限りがある。一次素材を加工するのが職人でしょ。木とか土とか石とか。それを排除した建物というのは、工場でつくる建物ですから、自ずからCO2を排出するわけですよ。要は、手間をかけず、工場でつくれば、職人がいなくても短期間でできる。そうしたら儲けになるじゃないですか。それが悪の根源。もっと職人の時代にもどせば、長いサイクルの建物ももつし、それが古くなっても循環できるし、補修がきくし。ということですね。

そこが根幹なんですよね。

私はそう見ています。だから私の家づくりは、昔のそういう考えを絶対に捨てちゃいけないと。で、古いものが全てではない。新しいものをいくらか補助として入れる。そんな家づくりで進んでいけば、家はゆったりした流れで続けられる。施主さんもそうゆう気持ちになりなさいと。そのために、一生に一度じゃないですか。坪40万のもので建つんであれば、55万だしなさい。もうちょっとかんばりなさいってね。今50年、60年ローンを今作ってくれているわけですから。そういう家づくりのために高くなる。高くなるものをローンでやりましょうという形で、国もわかってきだした。分かって、住生活基本法が制定されたけれど、大手住宅メーカーがそこまで追いついてないから、みんな、なりを潜めているわけです。だけど、あるところでは今の外断熱とか、エコ住宅だとか、オール電化とかいって、だいぶ改善できだしましたから。まだ建物本体がそこまで行ってませんから。大きくPRしない。これが逆の立場だったら僕らは今頃つぶれてるでしょうね。