古民家リノベで失敗しないために ― “大工の技術力”が家の寿命を決める理由
1. 古民家リノベは“誰がつくるか”で結果が変わる
古民家リノベーションは、単なる改修工事ではありません築80年、100年を超える建物が多く、
・材料のクセ
・柱や梁の状態
・過去の改修履歴
・現場で初めて分かる劣化
など、一棟ごとにまったく違う個性を持っています。
そのため、図面通りに工事すれば完成する新築とは根本的に難易度が違う仕事です。だからこそ、岡山や倉敷で古民家リノベをご検討される方には、まず伝えたいのは古民家の価値を守れるかどうかは、大工の技術力が重要です。
先週の土曜日、当社の中堅大工が 一級大工技能士 を目指して勉強会を開いていました。
主催は片山棟梁。
次代のリーダー育成に本気で取り組む姿を見ると、
「家づくりはやはり人で決まる」
と、あらためて強く感じます。
2. 古民家リノベ×大工技術 ― 現場判断が品質を左右する理由
古民家は、解体してみるまで分からないことの連続です。
・壁を開けると想定外のスカスカな柱
・床下の湿気
・昔の職人の継手の癖
・古材の反りやねじれ
こうした“現場での判断”が古民家に慣れた職人はできます。
特に 古材の利活用 は、大工のセンスと経験がもっとも表れる部分。
活かすのか、新しい材と組むのか、補強して再利用するのか。
この選択ひとつで、仕上がりの美しさも耐震性も変わります。
なんば建築工房では、
・古民家を古民家として再生する技術
・古材を見極める経験
・細部を手仕事で仕上げる技量
を大切にし、棟梁が若手に直接指導しています。
古民家は職人の技術が命。
これは、全国で古民家再生に携わってきた実感です。
3. 若手・中堅大工へ ― 日本の住文化を守るのはあなたたち
そして、本日は片山棟梁が大工技能士1級を目指す、中堅大工を指導してくれました。まずは原寸図という等身大の図面を描き刻む練習から。大工は頭と体を使う仕事で、現場の棟梁としてのリーダーシップも必要です。
このように若手が自主的に技の試験を受けてくれることは本当にありがたい話です。(なんばの職人たち)
建設業界は深刻な人手不足で特に大工は高齢化が進み、若手が減っています。
古民家を残せるのは、機械でもAIでもなく、技術ある大工だけ。
私は古民家を扱う鑑定士として、こう考えています。
「志ある大工と技術者が育てば、日本の古民家は必ず残せる」
「古材の循環が進めば、地域の文化は未来に渡せる」
だから当社では、
・一級技能士取得の推奨
・棟梁による指導
・古材倉庫での加工練習
・古民家現場での段階的育成
を徹底し、“一から育てる工務店” であり続けたいと思います。
4. 古民家を考える方へ ― リノベ会社は“職人の育成”で選らぶ
古民家リノベや古材利活用は、会社の広告や施工事例では見抜けません。
大切なのは、その会社が
・どんな職人を育てているか
・どんな棟梁が現場を支えているか
・技術継承に本気か
です。
なんば建築工房では「当社の棟梁は一級技能士必須」。
技術を証明し、文化を守る覚悟を持った職人が育っています。
古民家をただ直すのではなく、性能を高め、価値を高め、次の世代へつなぐ。
これが私たちの使命です。
これから古民家を検討される皆さまには、
“誰がつくるのか”を必ず確認していただきたいと思います。
それが、古民家で失敗しない一番のポイントです。