空き家古民家は「社会の課題」でもあり、「未来の資源」でもある
(一社)全国空き家アドバイザー協議会 倉敷支部 11月例会より
株式会社なんば建築工房の正田です。
本日は、(一社)全国空き家アドバイザー協議会 岡山県倉敷支部の11月例会でした。
倉敷支部では、毎月、市内の空き家相談に対応するための勉強会・情報交換・案件検討をチームで行っています。空き家は単に「老朽化した建物」ではなく、相続・法律・税制・建築・地域性・人の思いと、複数の課題が重なり合うケースがほとんどです。だからこそ、一人の専門家では解決できません。
私たちは、建築士、宅建士、司法書士、行政、そして地域のまちづくりメンバーなど、分野を横断した「ワンストップ体制」で空き家相談に対応しています。
倉敷市の空き家の現状
現在、倉敷市内には約17,000戸の空き家が存在するとされ、空き家率は約14%前後。全国平均の**13.8%**をわずかに上回っています。
(※総務省統計データより)
特に問題となるのは、管理されないまま放置されている空き家。
倒壊の危険や景観への影響、火災リスク、そして地域コミュニティの衰退にも繋がります。
しかし一方で、私たちは長年この地域で建築に携わってきたからこそ、別の側面も見ています。
それは、空き家は日本の住文化の象徴でもあるということです。
古民家・古材は「価値のある文化資源」
例えば、昭和初期や大正、明治期の住宅には、現代では手に入りにくい自然乾燥材の梁や桁、細工の入った建具、手仕事による欄間や框が使われています。
これらは、SDGsの循環型資源活用にも繋がる「再利用可能な文化資産」です。
なんば建築工房でも
・空き家・古民家の再生
・取り出した古材・古建具のリユース販売
・古民家を活かした宿泊・店舗・移住促進モデル
に取り組んでいます。
壊して廃棄するのではなく、活かして未来へつなぐ。
これは、環境面だけでなく、地域の記憶、人の物語を受け継ぐことでもあります。
毎月開催「空き家最強セミナー」
倉敷支部では、**毎月「空き家最強セミナー&相談会」**を開催しています。
ここでは、空き家の所有者や相続予定の方、まちづくりに関心がある方などが参加し、
実際の事例や法的整理、利活用の手法などを学べる場となっています。
「空き家をどうすればよいかわからない」
「遠方に住んでいて管理ができない」
「売るべきか、貸すべきか、残すべきか迷っている」
そのようなご相談に対して、一人ではなく、チームで解決の道筋をつくる。
それが私たち倉敷支部の役割です。
↓↓↓↓↓
◆空き家最強セミナーはこちら
未来につなぐために、私たちができること
空き家問題は、持ち主の責任や行政の問題と語られがちですが、実際には地域全体の未来に関わるテーマです。
空き家が再生され人が住めば、
・地域に灯りが戻る
・子どもたちの声が聞こえる
・商店街に活気が生まれる
・職人の技術が受け継がれる
そしてその積み重ねが、倉敷というまちの歴史と文化を未来へつなぐことになります。
私たちは、空き家を
「問題」ではなく「資源」に変える力を持った地域の専門家集団でありたい。
今後も、地域のためにも相談会や利活用の提案、そして実際の再生工事を通じて、倉敷の住文化を守り、地域の価値を高めていきます。
空き家に関するご相談は、どうぞお気軽にお声がけください。
一緒に、次の世代へつながる形を考えていきましょう。
株式会社なんば建築工房
代表取締役 正田 順也