県内青年部勉強会で語った、下津井から始まるまちづくりと古民家の可能性
■ 岡山の若き経営者が集う、古民家再生とまちづくりの勉強会
このたび、岡山県経済団体青年部連絡協議会よりご依頼をいただき、倉敷市下津井で「まちづくり・空き家対策・古民家再生」をテーマに講演とワークショップを開催しました。
県内の商工会議所青年部、商工会青年部、岡山県中小企業団体青年中央会など、地域の第一線で活躍する若手経営者が一堂に集い、岡山の未来を担うリーダーたちが熱心に耳を傾けてくださいました。
県内の多くの地域が抱える「過疎化」「人口減少」という課題。
その中で私たち(株)なんば建築工房が取り組んできた古民家再生を軸としたまちづくりの実践例を紹介し、地域の再生に必要な「人のつながり」と「覚悟」についてお話ししました。
■ コツコツ積み上げた下津井のまちづくり ― 岡山古民家リノベの現場から
今回の講演で伝えたかったのは、単なる古民家のリノベーションではなく、地域の暮らしそのものを再生する“まちづくり”の視点です。
下津井での活動は、テクニックや補助金だけで成り立ったものではありません。地域の仲間たちと信頼を築き、一歩ずつ積み重ねてきた日々の努力が、現在の景観と文化を守る基盤になっています。
古民家を再生し、カフェや宿泊施設、地域商社「しもついシービレッジ」などを通じて地域に新しい人の流れを生み出す。
こうした取り組みの積み重ねが、岡山における古民家利活用のモデルケースとなっています。
まちづくりの中心にあるのは「建物」ではなく「人の想い」。
人が動けば地域が動く――この原点を改めて共有できた時間でした。
■ 日本遺産・下津井の魅力を体感するフィールドワーク
講演後には、瀬戸内海と下津井瀬戸大橋を望む絶景を背景に、実際の古民家利活用現場を巡りました。
日本遺産に指定された北前船の寄港地・下津井の歴史を肌で感じながら、
古民家を再生した宿泊施設やデニムショップ、下津井横丁などを視察。
「古いものを残しながら、新しい価値を生み出す」現場を、皆さん真剣な眼差しで見学されていました。
瀬戸内の風景を楽しみながらも、各地のまちづくりにどう活かせるかを熱心に議論される姿はとても印象的でした。
それぞれの地域でこの学びを形にしていくことを期待しています。
■ 古民家再生と移住・空き家活用 ― 岡山の未来へ
私たちが古民家再生や空き家利活用に取り組むのは、単に建築の仕事だからではありません。
「地域に灯りをともす」という使命を感じているからです。
古民家は“古い家”ではなく、“地域の記憶”であり“人々の暮らしの証”。
空き家を再生し、再び人が集う場所へと変えていくことこそ、地域の未来をつくる第一歩です。
この日参加された多くの若手経営者が、
自分たちの地域でも古民家リノベーションを軸にしたまちづくりへ覚悟を持って取り組んでくださることを願っています。
「地域のために動こう」「自分がやってみよう」と決意する仲間が増えること。
それが、岡山全体の力となり、次の世代へとつながる原動力になるはずです。
■ 未来へつなぐ、岡山のまちづくりと古民家利活用
今回の講演・ワークショップを通して感じたのは、地域の可能性は“人”から始まるということです。
行政や制度に頼るだけではなく、民間が主体となって地域の未来を描く時代。
なんば建築工房は、これからも「岡山 古民家再生・古民家リノベーション・空き家活用・まちづくり」をテーマに、
地域に根ざした挑戦を続けてまいります。
この日の出会いが、新たな地域再生の種となり、
岡山各地で“人と地域をつなぐまちづくり”が広がっていくことを心より願って――。
株式会社なんば建築工房
代表取締役 正田順也