下津井宵灯りと、まちの灯を未来へ──建築がつなぐ地域の力

倉敷市下津井で開催された「下津井宵灯り」。
3人の女性の小さな想いから始まった文化的なイベントは、いまや地域全体を巻き込む大きな渦となり、下津井の秋を彩る行事となりました
約1年をかけて下津井節の踊りの練習を重ねた踊り。行灯と提灯の灯りに包まれた町並みは幻想的な美しさでした!
その光景を見ていると、地域の人々の想いが一つになっていることを感じずにはいられません。
ご協賛・ご協力くださった皆さまに、心より感謝申し上げます。

地域と人をつなぐ「建築」という仕事
この宵灯りの夜を通じて改めて感じたのは、「建築」は単に家を建てる仕事ではなく、人と人、地域と心を結ぶ仕事だということです。
古い町並みが光に照らされると、長い時間を経た建物の温もりや、そこに暮らした人々の記憶までが浮かび上がるようでした。
私たちは、こうした地域の風景や文化を未来へ受け継ぐために、古民家の再生や地域資源の活用に取り組んでいます。
「まちを残す」ということは、「人の想いを残す」ということです。普請と結という地域で家を守っていくという想い。
建築の力でその想いを形にしていきたいと考えています。

下津井に灯る希望の光
北前船の寄港地として栄えた歴史ある港町・下津井。
古い町家や石畳の路地には、今も昔ながらの暮らしの息づかいが残っています。
宵灯りのように、人が集い、笑顔が交わる場所をつくることこそが、まちの再生の第一歩です。
古民家の活用、地域イベント、空き家の再生──それぞれの取り組みが一つにつながることで、まちは再び輝きを取り戻していきます。
そしてその中心にあるのが、人の想いを形にする“建築の力”なのだと思います。

これからも地域の方々とともに、この灯を絶やさず、次の世代へとつないでいきます。
ぜひまた、下津井のまちへお越しください。
心の灯がともるような時間を、きっと感じていただけると思います。