なんば建築工房
スタッフブログ

「東京で一室、茶室をつくる」手仕事の粋を住まいに

岡山で古民家や茶室を手掛ける。

なんば建築工房の正田です。

只今、私たちは東京のとあるマンションの一室に「本格的な茶室」を造作するプロジェクトを進めています。

現場はマンション。

構造上、制限も多く、施工には緻密な配慮が必要です。 しかし、そこにこそ、私たち職人工務店の“腕の見せ所”があります。 茶室の造作は、住宅の中でもとくに繊細で高度な技術が求められる仕事です。 「にじり口」や「躙口框(にじりぐちがまち)」に始まり、床柱や天井、炉や壁の塗り仕上げに至るまで、すべてに“間”と“所作”を意識した設計と施工が求められます。 その空間には、お茶を点てる人と、お客様との静かな時間が流れます。光の入り方、音の響き方、木の香りまで計算してつくるのが茶室です。

今回の茶室は、なんば建築工房の加工場でいったん組み上げ、すべての納まりと寸法を確認してから、いったんバラし、現地・東京へと輸送。 現地では再度、職人たちが丁寧に組み直します。 (“仮組み”といいます)。

今回の茶室の木組みや仕口(しぐち)は、すべて当社のベテラン職人と若い職人が手刻みで仕上げました。 ノミとカンナの音が響く工場内で、静かに集中し、一本一本、木と向き合う姿に、私は未来を見ました。 彼ら若い職人たちの挑戦が、伝統技術を次代へとつなげていきます。

茶室とは、「削ぎ落とされた美」の極み そもそも茶室とは、単なる“部屋”ではありません。

千利休が極めた“侘び寂び”の思想を反映した、究極のミニマリズム空間とも言えるものです。 例えば「四畳半の茶室」。そこには、床の間や炉、にじり口、躙口天井など、通常の住宅では見られない細部の作法と様式があります。 そのひとつひとつが、“もてなし”の心を表す道具であり、空間であり、文化です。 このような茶室づくりには、古材の活用も非常にマッチします。

使い込まれた梁や、時を経た木の色味、手斧(ちょうな)仕上げの表情など、現代の新建材では到底表現できない“深み”があります。 なんば建築工房では、全国の古民家から取り出された古材をストック・管理しており、用途に応じたご提案が可能です。 古材×手刻みの技術で、唯一無二の空間をつくる。それは、今の時代だからこそ選ばれる贅沢ではないでしょうか。

只今、私たちの手仕事を残すため様々ご提案をしています。

その一つが

一部屋古民家の例

大人の“マンション一室リフォーム”という新しい愉しみ方

今回のプロジェクトのように、マンションの一室に「茶室」をつくるという試みは、都心部の高層住宅に住まう方にとって、大きな“癒し”となる可能性を秘めています。

静寂な和の空間で心を整える。
あえてスマホやテレビを置かず、畳に正座し、香を焚き、茶を点てる。
都会の喧騒の中にぽつりと生まれる“静の空間”は、まさに大人のたしなみです。

茶室に限らず、「古民家のような一室」「床の間のある書斎」「木の香りの漂う寝室」など、マンションリフォームの新しい形として、
“和の手仕事”を空間に取り入れるご提案も可能です。

素材も無垢材や古材、漆喰、和紙など、手触りや経年変化を楽しめる本物を厳選。
空間そのものが時間をかけて成熟していく、そんな“人生に寄り添う住まい”をつくります。