【外観】
新たに瓦を葺き替え落ち着きのある佇まいに息を吹き返した外観。
トタン屋根から瓦へ葺き替えて重量が増した分、軒先の構造材を新設している。
【Before・外観①】
こちらが着工前の建物。
ほとんどの人が「これを直す」という発想には至らないかもしれません。
しかし、現地下見をした会長が、開口一番「こんな立派な古民家残さずしてどうする」と納得するほど、構造は立派でしっかりしたものだった。
【Before・外観②】
いよいよ着工。葺き替えの手間やメンテナンス・維持のことを考え、茅葺屋根から瓦葺へ変更。
【玄関】
立派な木組みが堂々と出迎えてくれる。建具も既存のものを再利用している。
【縁側】
新設した縁側。新築の白木も無理に古材に合わせず、新旧のコントラストが楽しめる仕上げに。
【和室】
続きの和室。
建具の鴨居がそのまま構造材として大黒柱に取り付く、差し鴨居という組み方。古民家ならではの構造美。
【丸太梁】
立派な栗の丸太。外観こそ頼りなくとも、これだけ立派な構造材は築150年でも耐えられた証。この先100年も問題ない、本当に立派な構造材。
【補強】
構造強度に不安がある部分は新たに補強。
間取りに合わせ、ケヤキ丸太や松の角材で新たに組み替えた。
【解体工事】
木組みを1本1本確認しながら番号付けし、解体。
プラモデルを全部バラして1から組み立てるような作業を、原寸大で実施している。
【解体工事】
土壁の壁土も練り直して再利用するため、取っておく。
【解体工事】
解体しながら、木組みを確認、番付、補強。
歪みがないか、レベルも調整しながら進める。
【工事中】
古民家では、中二階になっていた座板を外し、吹き抜けにして室内を利用する場合が多い。
立派な梁が屋根を支える、構造美を味わえる。
【工事中】
再度の組み上げ。シロアリ被害もなく、きれいな梁。
【工事中】
古材はいったんバラしたときに丁寧に水洗いする。
年月を経て黒光りする梁。自然の木を自然のままに使う、昔の大工職人さんは本当に素晴らしい、の言葉しか出ない。
【工事中・石場建て】
昔の柱は土の上に石を置き、それに直接立っていた。
風雨にさらされたり、腐朽が進んでいる柱もあり、それらは部分的に切り欠いて新たな木材に入替える。「追いかけ継ぎ」という伝統的な木組みで補強する。
【工事中・石場建て】
石場建ての構造がよくわかる。
【工事中】
下からの湿気を防ぎ、シロアリ被害から家を守るため、柱を持ち上げて防湿コンクリートを前面に打設する。
【工事中・屋根】
瓦を葺く下には断熱材を施工。
同時に通気層という風が流れる通り道を作り、屋根下の熱気をスムーズに逃す通気工法で施工した。
【工事中】
補強もしつつ元あった木組みで戻す作業。
外周ももちろん断熱材を施工。
【工事中・広縁】
新たに設置した広縁。古材の色と白木のコントラストが美しい。