倉敷市 T 様

和風が全面に出ていたので気に行っ ていました

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「古い家に手をつけるというのは結構な覚悟がいるんです。先人の大切にしてきた 思い出や家をなくすというのもあるし、条件としても簡単ではありません。 でも"もしかしたら・・・"という想いが段々と浮かんできたのです。」

 

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築100年を超える古民家をリフォームされた倉敷市福田町のT様 長年「なんとかしたい」と考えていたものの一歩を踏み出せない状況 がありました。 しかしある環境の変化を機に古民家再生計画がスタートすることに なりました。そのプロセスや住み心地について詳しく伺いました。





もくじ

  1. お客様の想いを動画でご紹介
  2. 「計画が進まないある環境」
  3. 「この木を使いましょう!」
  4. リフォーム前に困っていたこと
  5. その後問題点はどのように解決されましたか?
  6. 思いがけないことが起こるからリフォームは面白い。

 

1.「お客様の想いを動画でご紹介」

 

 

2.「計画が進まないある環境」

 
●ご自宅をリフォームしたいと思われたのはどういう理由ですか?

 

ご主人様:私で四代目、築100年を超える家ですので使ってない部屋もあったり冬は隙間風が吹いて寒いです からずっとなんとかしたいという思いはありました。それと蔵が古くなったら突然崩れたりするから危ない ですよね。でもこのあたりは道が狭くて工事車両も入りづらい環境だったのです。だからいつかはなんとか したいという想いはあるものの完成見学会などに参加して研究するまでにとどまっていました。

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●具体的に計画が進むきっかけがあったのでしょうか?

 

ご主人様:目の前にあった酒蔵の敷地が整備されまさに道が拓けたのです(笑)住宅地になって建築工事を 進めるのに支障はなくなりました。また息子がUターンする予定も出てきたので"思い切って私の代でやって みようか"と考えるようになりました。

 

3.「この木を使いましょう!」

 
 
●なんば建築工房との出逢いは?

 

ご主人様:近くで完成見学会をやっていたので参加したのが最初です。和風が全面に出ていたので気に行っ ていました。"こんな風にできたらいいよな"と考えながら、10件ぐらいは見せてもらったでしょうか。同じ 和風だけどちょっとずつ違う、と思っていました。あとで聞いたら妻の友達もなんば建築さんで建てたというじゃないですか、なんかご縁は感じていましたね。

 

●どのように家づくりがスタートしたのでしょうか?

 

ご主人様:なにしろ、建物が古いしこちらは素人、"どうなるんかな"と思ってまずは家をみて頂きました。 そしたらなんば建築の方が、"ほぉ~"とか言いながら嬉しそうに話しているし、"これは素晴らしい!この 木を使ってやりましょう!"と言ってくれました。よくわかりませんが、"ああ、活かせるもんでしたら"と 答えながら始まったような気がします。

 

 
●実際に珍しいものがあったのですか?
 

 

なんば建築工房西中:玄関の大壁部分を解体すると外ごまい壁というのが表われました。こまいとは細い竹 などを縦横にからめて組んだ土壁用の左官下地の事です。外ごまいとは柱に組まれた貫(ぬき)の外側にこ まいが施されている壁のことを言います。 これは昔ながらの工法で解体前は大壁仕上げの下に隠れていました。この風情を活かしながら住みやすい環境を作ることができるのです。

 

 
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完成したこまい壁

               解体時の外ごまい                          

 

4.「リフォーム前に困っていたこと」

 
●リフォームする前にお困りになっていたのははどんなことでしょうか?

 

ご主人様:主には次の3つです。

 

①まずは蔵が古くなっていたので崩れるんじゃないか、という不安ですよね。実際になまこ壁がポロポロとれ たり、瓦の一部がとれて道端に落ちていたというのがありました。うちだけならまだ構いませんがご近所に 迷惑をかけてはいけないと思っていました。古いもののよさと言うはあるのでしょうが、安全性が失われた らまずいです。

 

②2つ目は昔の家は田の字型の間取りになっていて意外と使いづらいという事です。トイレに行くにも客間を 通らないといけないとか、ですね。

 

③3つ目は隙間風がピューピューで冬はもちろん寒いし、夏も快適ではない事ですね。

 

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5.その問題点はどのように解決されましたか?

 

ご主人様:蔵の部分は梁と柱を残して1階は収納部屋、2階は住居スペースとなりました。柱部分は残すとはいえ、耐震性が足りないのでジャッキアップして補強したようです。

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梁は当時の大工さんがしっかりと仕事 をしているようでほぼ使えるとの事でした。でもそのまま使うと毎日、頭を屈めないといけないので高さを 調整してくれたので今でも違和感なく使うことができています。

 

2つ目の間取りは客間を取り囲んで廊下を作り、奥に居間、水周りを持ってきました。

 

これで玄関からぐる っと生活導線がよくなりましたね。お客さんが来られても気にすることはありません。

 

3つ目は、昔の家は断熱もあまりしていませんから、今回、最新の断熱性能にしているということもありま す。それとうちの場合は、古い材料を活かしていますからその調整が難しいようです。

 

例えば、母屋の柱も 傾いているらしく職人さんが元々あった丸い柱に何回も木を加えて調整していましたね。何度も何度も。根 気のいる仕事だなあと思いましたよ。

 

hasirachousei001.jpg ※なんば建築工房 西中 経年変化によって木が収縮して形が変わるんです。それでは隙間風が入ったりす るし、強度もよくありません。田中様の家もあちこちが傾いていたのでそれを真っ直ぐにしないと快適性は 実現できません。職人さんが「添え木」というのですが、削っては合わせ、一つ一つ加工を繰り返していま す。

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6.「思いがけないことが起こるから面白い!」

 
●建築中に印象に残っていることはありましたか?

 

ご主人様:棟梁さんがこだわりの方で"きちっとしなきゃ気がすまない"という方でしたね。

 

朝は早くから来 られて時には夜遅くまで。どんな時でも終わったらきれいに整理整頓をして帰られていました。

 

"古民家再生の仕事は思いがけないことがあるから大変だ"と言われてましたね。 確か、解体の時だったでしょうか。 古い柱がみしみしいっていたんです。そしたら棟梁さんが"重さで家が下がってくるからスピード!スピー ド!"とすごい真剣な表情で指示されていましたね。 また別の日も難しい表情をされているので聞いたら"家がひねくれているからどうやって解消するか考えて いるんだ"と言われていました。

 

 

●実際に入居されて今、感じることはありますか?
   
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ご主人様:4代目で私が家に手をつけたわけですが、昔の趣というか風合いを残せてよかったなと思いました。

 

やっぱり先人の想いというか、気持ちが詰まっていますから相当の覚悟は必要でした。でもなんば 建築さんのお陰で気持ちは活かす事ができたと思っています。

 

もちろん、住み心地はいいですよ。音は静かだし、暖房や冷房の利きは以前とは比べものになりませんしね 。

それよりも家づくりの過程を解体前から完成までずっと写真を撮って記録してきたので楽しかったですね。 今でも写真を見ると出来事が思い浮かぶ思い出になりました。

 

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■T様、本日はご多忙のところありがとうございました。

※ 取材記事制作:(株)WISHパートナーズ 赤木浩二、動画撮影・編集:(有)あいぷらす 浦上佳久

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