Vol.17 プランづくりのツボ(現地をチェックする)

Q.現地に行かれてまず一番にどんなところからチェックされますか?


お客様がどのような家をのぞまれとるかをまず一番に聞きますね。ざくっというと和か洋か。それから和であれば重たい和なのか、軽いすきやと呼ばれるすきや風の和なのか、洋は洋で近代的な洋なのかもっと下がって明治とか大正とかというような洋なのか、ゴシックのようなもうひとつ昔の洋なのか、どういう形をのぞまれているかをまず外観のイメージ、それから内部がどういう部屋がお好きかをまず一番に聞き取ります。


次に大事なのは10年後、20年後その家がどうなるか、人数が増えるのか減るのかにもよって大きさが違ってくるじゃないですか。だいたいみなさんは現状の人数にあわせて作るわけですけども、必ずもう20年も先になると子どもが大きくなっていなくなる、それなのに、自分が年をとると大きな部屋がいくつも空いとるというような家になる。だからそのへんの10年後、20年後というのを10年単位くらいで考えて、家はご提案していくというところでしょうね。そこから始まります。


Q.最近相談があった中で、とりあえず現地をみに来てくださいという風なケースもありましたか?


現地を見てまず考えるのがやはりその町に溶け込むかどうかいうのも大事なことですよね。その家だけが特有に浮いてしまういうのも僕はおかしいと思うんですね。そういう意味で私はまわりに溶け込むかどうか、それから、近所の家がどういう配列になっているか、どちらからの目線を気をつけないといけんか、いうものをきちっと、平屋なのか二階なのか、窓はどこについているのか、大まかなそういうことはチェックして帰りますね。


車に乗ってまず現地に行きます。それからぐるっと歩いて回って、それから当然寸法がありますので、隣の家がなんぼの高さで窓がこういう風についておるというのをだいたい頭に入れてメモって帰りますね。


Q.まわりの風景に溶け込むことが大事とおっしゃったがどういうことですか?


私は、よそのと違うものをして強調して、これみよがしにどうだ私はこういう家を建てたんだ、というのはあまり好きじゃないんですね。それよりも、座ってじっと見たときに、たとえば柱一本、あるべきところに柱がない。
でも気がつかない。柱がないからものすごくすっきりしているなと。それがプロの目から見たときに、ここは普通柱があるのに柱がないな、柱がないからものすごくすっきりしとんだなと分かってくれる、そういうものを作りたいんですね。


そこには必ず職人としての技術が中に入っとんですね。職人の手による特殊な木組みになる。そういう技術を見せないような形で、柱一本抜くがために、その上にそういう柱を出して、柱を取るんですけども、素人ならすっきりしているなだけかもしれないが、プロが見たら一目で分かります。これは屋根の天井の下とか屋根のところへ隠しとるなと。ものすごくすっきりしとるなと。プロが誉めてくれるというかね、そういうイメージで。


素人さん向けには、派手な家がいいんかもしれませんけど、たとえば、玄関入ってすぐそばに大きな柱がどんとある。玄関入ったところなんかは普通は壁があるわけで、そこに大きな太い柱はないんですけど、これみよがし的に入れる。ではなしに、またそれから居間に入った、大きな広間がある、そういうときに、二階の上にそこへのっとる、家の中央にそれが大黒柱なんですけどね、重要なところだから太い柱を使っとる、それが自然なわけですよね。それを、これみよがしに太い柱を入れるというのはこれは邪道だと。やはりあるべきところに柱があり、あるべきところに梁がある。

 

職人でないとできない家というのがあるわけですけれども、それをなんとなしに設計の中に入れこんで、それを何もどうだ、私はこんだけ出来るんだいうんじゃなしに、家に入っていただいてそのうちお客さんがそれに気づいてくれる。必ず入った人は気づきます、最終的にはね。


そうすると、なんばさん、あそこは人がようたんだけどここは柱がいるんですね、梁がごついのがいるのにものすごく小さく見せてますね、というような評価でかえってきます。 ああ、なんばさんのところはすごいな、いう評価で。

なんば建築工房のこと|会長インタビュー

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