「歴史を受け継ぐ築120年の家」

岡山県倉敷市児島

 築120年、歴史を受け継ぐ家

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築年数  120年
家族構成  ご夫妻、ご祖父

 

まさになんばの原点ともいえる家。先代が手がけ現社長の難波恭一郎が子供の頃から、この家で大工の手伝いを始め歴史を一緒に歩んできています。家づくりの基本、考え方、あり方いろんな事を教えて頂きました。古い家を壊すという事は皆さん、嫌がるんですがすごく勉強になるんです。現在のなんばのさまざまな家のスタイルはこの家から生まれたと言っても言い過ぎではありません。

 


 

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玄関も決して派手さは何もありません。土間のたたき、上がり框(かまち)、建具まで
…なんともいえない落ち着き、重みがあります。

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今ではほとんど見られない貴重な黒漆喰。
昔の家は玄関を入るときも自然と頭を垂れなければいけないようになっています。 これは人として謙虚さやモノを大切にという事を家が教えてくれているのだと思います。

 

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金箔を貼った見事な襖紙。

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おいてある小物ひとつひとつは趣のあるものばかりです。

 

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決して派手さはありませんが上品なものばかりです。

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ケヤキの中でも銘木中の木です。貴重な材の中に上品に彫られた彫刻が書院を引き立てます。

 

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年数が経って”いいなあ"と言われる家になるのが一番だと思います。

 

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「このようなものを作ったら50年後、100年後こうなるという事が古い家をさわっているから分かる訳です。だから決してムリなことはしない。」

 

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「蔵の仕組みというのはすごく家が快適に過ごすための知恵と工夫が凝縮しているんですよ。だから蔵を数多くさせて頂いたのはとても勉強になりました。でも夏はいいけど冬は寒い、だから現代の技術を取り入れることが大事な訳です。こうして"土壁外断熱"が生まれたんです。原点はこの家なんです。」

 

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障子もきれいな新しいものにされています。
そういう事も家をきちんと手入れしないと気づかない事なのです。
このような家に対する思い入れが大事だと考えます。
もちろん、メンテナンスが一切、いらないものもありますが多少、手間はかかっても家を大事にするという心が重要です。
私たち日本人は工業化の中で何でも利便性、合理性に走ってきましたがその一方で大事なことを置いてきているような気がします。家も何でも小手先に走る、機械や設備を駆使しようとするというのは間違いだと思います。大事なのは家を大切にしようと『思う気持ち』それがベースにあって新しいものを考える姿勢が必要です。

 

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古くなればなるほど雰囲気や味わいが出ます。
だから建てる側が考える時はそれに耐えうる家にしておけば良いと言う訳です。
「私は"節があってもいいじゃないですか"とよく言うんですよ。確かにないにこしたことはないですが年数が経てばなんともいえない落ち着きが出てきます。"家はかくあるべき"ですよね」

 

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家をもたせようとする建築会社、家を大事にしようというお施主様、両方の気持ちがあると長く住み継がれるいい家になります。一方だけでは決してよくなりません。 建てる側もお施主様が家を大事にしている気持ちを知って仕事をする、お施主様も家に対して愛着を持つというあたりまえの気持ちがあってこそ家は長持ちします。